大麦の健康価値

■日本人の食生活の変化と大麦

全粒穀物は糖尿病などの現代病を予防する

穀物の外皮や胚の部分を、精製などの処理によって取り除く前の“丸のまま”の穀物である全粒穀物。具体的には玄米、雑穀、全粒小麦、オーツ麦、ライ麦などを指す。これらには食物繊維がたっぷりと含まれるうえ、胚芽などに含まれるビタミンやミネラル、ポリフェノールといった微量栄養素の摂取源にもなる。

全粒穀物の効用に関する研究は世界各地で行われているが、現代人の命にかかわる代表的な病気の数々が全粒穀物の摂取で予防できることが示されている。米国では「1日に食べる穀物の少なくとも半分は全粒穀物に」と推奨するほど、全粒穀物は私たちの健康維持・増進に欠かせない存在と言える。

なお大麦は、外皮を取り除いて精製しているから全粒穀物とは言えない。しかし、外皮に食物繊維が多い全粒穀物とは異なり、精製しても粒の中までぎっしりとつまったβ-グルカンのおかげで食物繊維がたっぷりと含まれているのは同じ。多彩な効用については、本サイトで紹介している通りだ。

※ 米国農務省が提唱する食事ガイド「MyPlate」

全粒穀物の摂取量が多いほど死亡リスクが下る