人類が農耕を始める前、2万年以上も前の採集民族は野生の大麦を食べていたようだ。栽培が始まったのは約1万年前の中近東で。その後ヨーロッパやエジプト北部、中央アジアを経て南アジアへと伝わった。
日本には縄文後期に中国から伝わったとされる。米に次ぐ重要な農作物として、稲作の裏作として栽培されるようになった。平安前期の『続日本紀』(西暦797年)には、そばや小麦とともに、大麦の栽培が推奨されたという記録がある。
次第に大麦は粒で食べる、小麦は粉にして食べるという使い分けが一般化し、明治時代になると煮炊きしやすい押麦が考案された。